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 今年もあと少しとなりましたので、恒例の
「今年読んだ本の総まとめ」をしたいと思います~~!!



 今年、私がたくさん読んだのは、何と言っても
中国の文化・ビジネスに関するエッセイや、歴史・紀行文。

 元々中国の文化が好きだった上に、中国人の友人が大勢出来たこと、
そして尖閣諸島事件などの中国の時事ニュースに興味を持ったことから、
中国文化や歴史に関する本を20冊以上読んだので、
心に残った本を、ここでも少しずつ、紹介していきたいと思います。


中国エッセイ・女性作家対決
  ~五十嵐らん・星野博美・谷崎光~



 まず、この3人の女性作家さんをクローズアップしてみましょう。

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『世にも不思議な中国人』 五十嵐らん

 人気ブログ作家でもある五十嵐らんさんは、『明日から中国で社長をやって下さい』で有名。
彼女の著書『世にも不思議な中国人』も読みましたが、
後者の方が軽いタッチでブログっぽく書かれていること以外、2冊の内容はほぼ同じでした。


 作者の五十嵐さんは、とても頭の良い人だと思うのです。
 ビジネスの話を、平易な文章で分かりやすく説明していて・・・。
「自分が高校生の時にこの本を読んでいたら、もっと経済の授業を
興味深く聞けたかもしれない・・・」と思うくらいです。 

 ただ、ちょっと違和感を感じたのは、
「彼女って、中国人に、親友いるの?」と思ったこと。
 この著者の場合、「中国人や文化を心から好き」というよりは、
「中国で仕事をやったら、こんな面白い異文化体験をした」というスタンスしか、
持っていないように思うのです。

 中国の良い所に関する描写が
「マッサージが安くて気持ち良い」
「鶏肉が美味しい」

の2つぐらいで、そこで出会った中国の普通の人達の人柄の良さについて、あまり触れていません。

「中国にいると、オシャレをせず、素っぴんで電車に乗っても平気。
だって誰も見てないし、自分と同じくらいダサい人がいっぱいいるし…」

・・・というような発言もあり、ちょっと寂しい人だなぁ~と思いました。
 それは、「先進国出身の私は、発展途上国の人達とは、しょせん解り合えない」 
と、境界線を引いているからです。


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『謝々!チャイニーズ』 星野博美


 一方、星野博美さんは、五十嵐さんと対照的に、文字通り、
「中国に恋に落ちてしまった」人。

 子供の頃から、なぜか中国の文化に惹かれてしょうがない彼女は、
バスや電車など、現地の人の乗り物を使って一人旅。
 市場やお店の店員さん、レストランで隣に座った人、
どんな人にも好奇心を持って話しかけ、現地の輪に入っていく。


 お金や違法パスポート取得のためだけに、日本人の彼女を利用しようと
近づいてくる中国の男達に、傷ついたり、孤独を感じたり・・・。
 けれど、まるで家族のように接してくれ、決して裕福な家ではないが
自宅で料理をして歓待してくれる温かい家族や、
片田舎のカトリックの教会で真摯に祈りを捧げている20代の若いお母さんなど、
美しく生きている人達の描写も、多い。

 この「なぜだか理由は分からないけれど、中国の文化が好き」という感覚は、
私が持っているものと全く同じなので、彼女の文章にはすごく共感する。

 『謝々!チャイニーズ』では、長距離バスを駆使して
広大な中国の沿海都市を回る彼女だけれど、
『愚か者、中国を行く』は、さらに貴重な経験が綴られていて、ビックリ。
 電車で香港を出発して、新疆ウイグル自治区に辿り着くまでに、費やしたその時間、一か月。
 共産主義時代の中国では、切符を買うだけでも大変なのに。
 そして、最後に辿り着いたウイグル自治区の村の章も、とてもよかったです。
 ウイグル自治区の人達って、顔は全く漢民族と似てないし(彫が深くて、アラブ系の顔立ち)、
食文化も宗教(イスラム教徒の方が圧倒的に多い)も、全く違う…。
 中国にこんな文化圏があるなんて!!と、とにかく作者と一緒に私もビックリしました。


 一緒に旅するアメリカ人のマイケルとの、微妙な関係の変化の描写も上手。
 この辺りが、女性作家ならではの描写力ですね。彼女の文章は、いつも文学的余韻を残すんです。

(2年前に読んだ、『転がる香港に苔は生えない』も、とてもよかったです。
感想はこちら。↓↓
http://ritapalace.blog42.fc2.com/blog-date-200802.html




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『北京の愉しみ』谷崎光
 

 ・・・さて、最後になりましたが、待ちに待った、谷崎光さんを紹介します。

 谷崎さんの本やブログについては、既にこのブログでも何度か紹介しました。
 「中国理解はビジネスのため」と割り切るのが五十嵐らんさんだとすれば、
「中国を愛おしく思う」のは星野博美さん。

 ところが、谷崎さんは、そのどちらにも属すし、どちらにも属さない、
とでも言うべきでしょうか・・・?
 彼女と中国は、切っても切れない関係なのですが、
谷崎さんの場合、世界中どこの国に行ったとしても、同じスタンスで
やっていくんじゃないかな・・・?と思ってしまう。
 彼女にとって問題なのは、
「中国が好きか嫌いか」ではなくて、「真実を見たい」なんですね。

 北京大学の近代史の授業で、
「日本人は戦時中、中国人に残虐行為をして、酷い民族だ!!」などと現地の学生達に責められると、
「日本はちゃんと謝罪もして、中国にODAも出している!!
ウソだと思ったら、自分で調べてみなさいよ!!」

と言い返して、相手を黙らせたり。
 エライ!!かっこいい!! 外交のお手本のような方です。
 自分をしっかり持っていて、自己主張もチャキチャキできる所は、
ロンドン在住のエッセイ作家・高尾慶子さんに似ていると思います。


 谷崎さんのの本は、デビュー作の『中国てなもんや商社』で、
「平気であり得ないウソをつく中国の工場の人達」に爆笑し、
続いて『北京大学てなもんや留学記』 では、中国語をマスターするために
四苦八苦する筆者の体験談が、すごく参考になったり。。。

 今年6月に出版されたばかりの旅行記『感動中国!』は、
中国の文化遺産の歴史的背景と現在の姿が克明に描かれており、読み応えたっぷり。

 私個人的には『北京の愉しみ』 が好きですね。
というのは、中国の現代っ子たちのポップカルチャーが書かれているから。

 中国でベストセラーとなっている、台湾出身の絵本作家Jimmyを知ったのも、
この本のおかげですし、若い人行きつけのカフェやお土産屋さんなどのリポートも楽しい。


 以上。女性作家3人の、三者三様の中国エッセイについて、
リポートさせていただきました♪

 中国エッセイ比較レポートは、機会を見て(笑)また書きたいと思います。

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2010.12.14 Tue l 未分類 l COM(0) l top ▲