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「爆笑!エリート中国人」小澤裕美著/幻冬舎新書


 素敵な本を発見しました♪

 著者は、新華ファイナンスジャパン株式会社代表取締役社長。

中国でビジネスを展開しようという日本人のために、中国企業を調査したりする

コンサルティング会社の社長さんですね。そして、女性。

 日本人と中国人の部下を抱え、両国の文化やビジネス事情に詳しいのは、

仕事はもちろんのこと、旦那さんが中国人というプライベートな理由もあるでしょう。



 私が「すがすがしいなぁ!!」と思ったのは、

中国ビジネス社会での、男女平等についての描写。



 中国人は、相手の担当者が若かろうが、女性だろうが、
信頼できると思えば対等に話をします。「若すぎて頼りない」
とか「女なんて仕事ができない」などと偏見を持ったりしません。
年齢や性別にはこだわらないのです。だから、中国では女性の社長や
幹部社員が大勢います。   (本文185ページ)

 日本の男性と話をしていると、「小難しい話をする女はイヤだ」
「女性は30歳を超えたら終わりだ」などと言われて、まったく相手に
してもらえませんが、中国は男女平等ですから、ヘンな気を使う必要が
ありません。   (本文197ページ)



 女性社長である著者ならではの視点なので、大変共感しながら読みました。

 また、こちらの一節にも、大いに共感!


 私は日本や米国の会社で働いた経験もありますが、中国の会社で
働くストレスは、それに比べるとゼロに等しいのではないかと思います。
 それは、たぶん自分が自分でいられるからだと思います。
本音と建前がなく、あれこれ悩まずに付き合うことができます。
どうしてこんなに楽しい人達を日本の人が斜めに見てしまうのか、
不思議でなりません。  (本文197ページ)



 ・・・確かに、日本では、目に見えない「世間様」を意識して行動することが

多いんですよね。電車に乗る時、人からどう思われてるか気になって、

目立たないようにふるまう・・・とか。

 学校や会社でも、他の人と少しでも違ったことをしていると、

「あいつは変わっている」と後ろ指さされるという。。。

 香港へ行くと「あ~~、ラクだなぁ~」と思うことがありますが、

それは「何でもアリ」だから(笑)マイノリティがいないので

私が何をやっていても全く目立たないんです。

 アメリカからの帰国子女の友人も、同じようなことを言っていました。

「人は人。私は私。気を使って周囲に同化しなくていい。」

・・・これは、ある意味「協調性に欠けるスタンス」かも知れませんが、

自分らしさを解放できる文化環境は魅力的だと、私は思います。



 そして、すごく大事な指摘なのに、意外にサラッと書かれている(笑)

この個所を紹介します!!


 どうも日本人には中国人を自分達より劣っていると思っているふしが
あります。歴史的な背景もあるでしょうが、「国が貧しい」とか「田舎者だ」
とか、そう言う目で見たりします。 (本文170ページ)



 ・・・ここなんですよね。尖閣諸島問題がこれほどメディアや人々を

あおっているのは。

 もしこれと似たような問題が、中国ではなく、アメリカや韓国など、

別の国との間で起こっていたらどうでしょう?

「中国はとんでもない怪物の国だ」などと、週刊誌が面白おかしく

あおるのは、「日本人より劣っている中国人にやられたから、むかつく!」

という心理があるからではないでしょうか?

そして、そういう人に限って、欧米人にはペコペコ頭を下げて

言いなりになる傾向があるように思います。

 太平洋戦争の歴史が悪いのか、

「アジア人蔑視主義&白人至上主義」が、いまだに蔓延しているなぁ、

と思う今日この頃です。自分がアジア人なのに、同じアジアの民族を

差別する意味がわかりません。

 確かに、韓流ブームや華流ブームで、韓国や中国のスタイリッシュな文化が

たくさん入ってきて、そういった「アジア人を低く見る」意識も、

多少改善されたように思いますが、まだまだ課題は多いかもしれません。



 ・・・で、実際、日本人より中国人の方が劣っているのか?と言われると、

私は先ほどの男女平等の概念については、中国の方が進んでおり、

日本は後進国だと思います。経済じゃなくて、思想が。



 そういうことを考えさせることにおいて、この本はすごく

良い内容なので、たくさんの人に読んでほしいと思うんですけど、

問題は、本についている「帯」です。

 アマゾンのHPでは見ることができないので、ここに引用すると・・・。


こんなにヒドイ目にあわされた日本人ビジネスマン
○重慶にあるパートナー企業に5億円投資したら、接待と飲み食いで
 2億5000万円使われた日本企業
○日本人が中国に視察に来た時だけ、工場の看板を付け替え、
 見事に騙し切ったエリート中国人
 


 ・・・たしかに、こういうビックリ・エピソードも

本の中には入っていますが、ここだけ強調すると、

著者がなぜ本のタイトルを「爆笑!エリート中国人」にしたのか、

その意図が全く生かされなくなります。

 小澤さんは「異文化からストレスを受けるのではなく、

全く違うものとして捉え、ユーモラスに楽しもう!」

と、本文の中で繰り返し言っているのに。

 本を売る側の編集者の人達の方に読解力がないと、

こういう帯をつけられてしまうのは、ちょっとがっかりします。



 中国人だけではなく、他のすべての異民族とお付き合いする際に、

超えていかなければならない壁の対処法や、発想の転換法の宝庫!

 ぜひお薦めの一冊です♪
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2010.11.30 Tue l ノンフィクション l COM(0) l top ▲