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村上春樹さんの『1Q84』を読んで。


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 私は本を読むスピードが、日本語でも英語でも極度に遅いのですが、
この本は魅力的で、3日で読破してしまいました^^

ネタバレはありません^^

ネタバレしないように書いたので、文章がやや抽象的で堅くなってしまいました。
 自分のメモのような日記なので、意味不明かも(>_<)
 それでもよかったら、読んで下さい^^

村上さんの小説で、私が今まで読んだことがあるのは、

「ノルウェイの森」
「ダンス・ダンス・ダンス」
「風の歌を聴け」
「スプートニクの恋人」
「レキシントンの幽霊」
「羊をめぐる冒険」
「海辺のカフカ」

です。このうち、「海辺のカフカ」は、かなり好きな作品ですが、
他の小説は、正直今まで、あまり好きではありませんでした
 今回読んだ「1Q84」は、「海辺のカフカ」と肩を並べるくらい、
大好きな作品となりました


☆★☆★☆


 この世の全ての事象には、何らかの「理由」が存在する。
 一般的には、そう考えられている。
 

 太陽はなぜ東から昇るのか。
 人はなぜ病気になるのか。
 人類はなぜ、猿から進化を遂げたのか。 


 そんな風にして、「なぜ?どうして?」と追求し続けた結果、
科学技術は発達し、人類は進歩を遂げ、豊かになり続けてきた。


 しかし、世の中には、理由を説明できないことも、多々存在する。


 人は、なぜ恋に落ちるのか。
 なぜ、理由も分からず、涙が出るのだろうか。
 なぜ、人は、突然変わってしまうのだろうか。
 科学的に存在を立証できないはずの神に対して、
なぜ私達は、心が弱い時に、祈らずにいられないのだろうか・・・。


 そういった人間の感情や行動を、
「脳内で起こる化学反応」「生命維持のための条件反射」と説明することは易しい。
 しかし、そんな分析をすることに、一体どんな意味があるのだろう。


 理由もなく存在する、圧倒的な「事実」そのもの。
 本人にさえ説明のできない、心。感情。

 私達生命あるものを突き動かし、人間を人間たらしめているものは、
実は何よりも、そういった目に見えないエネルギーに他ならないー。


 この小説『1Q84』は、全てを説明しておらず、解き明かされないままの謎が多い。
 「何を意味し、何を象徴するのか、作者の意図がわからない」という見方もできるだろう。


 私は、それでいいと思う。

 
 「何事にも原因と結果があるはずだ」
 「全ての神秘は、論理的思考に従えば、解明される」

 ・・・そう信じて疑わず、どんなことも「したり顔」で
“私は何でも知っています”と断言する人がいたとしたら、
胡散臭いことこの上ないし、多分私は憤りを感じてしまうだろう。
自分を全能と信じて疑わない、その傲慢さに対して。


 「努力すれば何事も成功する」・・・?
 「少ないコストで、最大限の成果を」・・・?
 「死んだ親友のことは、さっさと忘れて、勉強しなさい。
 いい大学に行って、いい会社に行って。高い年収を稼ぐの。
 悲しんでいる時間なんて、無駄。」


 ・・・そんな、わけが、ない。

 
 血のにじむような努力の先に、失敗と喪失しか待っていなかったこと。
 善悪・白黒の二元論では、定義づけのできない、あまりにも混沌とした、深い森のような世界。
 深い孤独と絶望を知るからこそ、たった一筋の光に自分の全てを投げだすことができる、純粋さ。


 「たった一人の人を心から愛することができれば、人生は無駄ではない」
 ・・・この物語の中で、私がとても好きな台詞である。
 この物語のメインテーマの一つであるラブストーリー(青豆さんと天吾くんの物語)は、
恋と孤独がどれほど隣り合わせのものなのかということを、教えてくれる。
 とてもロマンティックで、私は大好きになってしまいました^^



 「資本主義社会の限界」は、これまで村上さん以外にも、
多くの近現代文学作家が指摘・警告してきたテーマだと思います。
 夏目漱石とか、カフカの「変身」とか、カミュの「異邦人」(大好き!!)とか、
グレート・ギャツビーとかも、みんな、そう。
 
 頂点を目指すこと(=勝利、弱者の征服)の虚しさ、
自らの利益のためには、多少の犠牲(=環境破壊、貧富の格差増大など)は仕方がない、
という危険思想を、 今一度私達現代人は見直すべきだと感じました!!



 生きていく理由は、与えられて選ぶものではない。
 意味を見出していくのは、私達自身であるべきだ-。
 今、そう、強く、思います。



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2009.09.20 Sun l 小説 l COM(0) l top ▲